ロータリー50周年記念切手もあとわずか。今回はグアテマラです。
ヨーロッパ人が新大陸に初めて到達する1000年以上も前に、マヤ文明は現在のメキシコ南部とグアテマラにあたる地域で高度な文明を築いていました。スペイン人は1524年に到来し、1821年にグアテマラが独立を宣言するまで支配しました。グアテマラは、1981年に完全な独立が認められるまで、イギリス領ホンジュラス(現在のベリーズ)全土の領有権を主張していました。
グアテマラ初のロータリークラブは、1925年にグアテマラシティ(シウダ・デ・グアテマラ)に誕生し、ロータリー50周年の時には国内に3クラブが存在していました。
1956年9月8日、グアテマラは建国50周年の翌年、ロータリー50周年の記念として3種類の切手①を発行しました。見本加刷も制作されています②。切手は、50枚綴りのシートで3万セットがオーストリア・ウイーンのStaatsdruckerel社で印刷されました。3種類の切手はすべて、ロータリー初の切手となった1931年国際ロータリー・ウイーン大会記念切手の印刷版を彫刻したF. レッツルによって彫刻されました。この時期にオーストリアで印刷された切手によく見られる、黒一色の試刷り(シュヴァルツドリュック=プルーフ)が確認されています③。このことについては2018年12月27日のコラムに詳しく書きましたのでご参照ください。
3種類の切手すべてに、デザイン上の誤りがある地図が描かれています。グアテマラは長年、イギリス領ホンジュラス(現在のベリーズ)の領有権を主張していました。切手の地図には、実際にはベリーズ全土がグアテマラ領として描かれています。当時、国連は両国間の国境紛争を解決するための審理を行っていました。
切手の誤りが彫刻師による元のデザインにあったのか、意図的なものだったのか、あるいは偶発的なものだったのかは不明です。別のエッセイ④には正しい地図が描かれているので、なぜこの図案のまま発行されたのか不思議です。
初日カバー(FDC)は切手の色に合わせて3種類(3色)が確認されています⑤~⑦。スーベニアカードと呼ばれるものも3色⑧~⑩作成され、FDC 同様3種の切手が貼られて、記念消印が捺されています。⑩の左側は、金色の枠と文字の印刷漏れで、通しナンバー489のほか219も確認されています。めぼしい実逓カバーがないのは、ベリーズとの国境問題が影響したのかもしれません。