今月のロータリー50周年は日本の隣国「韓国」です。
韓国は1910年から1945年まで日本の統治下にあり、最初のロータリークラブ(RC)は1927年創立の京城(現・ソウル)RCでした。現在韓国には11地区約700のRCがあります。
ロータリー50周年記念切手①は3額面、各20万枚が1955年2月23日に発行されました。20ウォンは紫色で印刷されましたが、右端の切手のようにごく少数「薄い黒紫」で刷られたものがあり、バラエティーとして分類されています。
デザイナーは韓国人アーティストのGhang Bak氏でした。1シートは縦5枚、横10枚の50面構成で、下方中央部の耳紙に1~20の管理番号が印刷されています。
この切手には無目打ちと贈呈シートがあります。②の無目打ちは各500枚、つまり各10シートが作られました。完シートのまま残っているものもあり、その内の1セットは一時私のコレクションになっていました。現在はあるものとの交換で、海外のコレクターの手に渡っています。
贈呈シート③~⑤は300セットが印刷され関係方面に配られたようです。いずれも入手困難ですが、市場では贈呈シートの方をよく見かけます。
ロータリー50周年の記念消印(特印)は作られませんでした。⑥はマキシマムカード(MC)の一例ですが、日付が1955年7月18日と発行日の5か月後になっています。この日付以外のMCを見たことがないので、この時期の韓国ではMCという発想がなかったのかもしれません。
FDC(初日カバー)の消印は通常の日付印で日付の書き方に3種類が確認されています。⑦はソウル国際郵便局の「INTERNATIONAL」の消印で、日付は「23,2,1955」になっています。世界各地で使われたアートクラフト社のカシエのFDCには20ウォンの田型が貼られ、この消印になっています。⑧はソウル郵便局の海外宛欧文印でこちらの日付表記も同様です。書留の実逓便です。⑨はプサン局の国内用消印で「4288,2,23」と表記されています。4288は西暦1955年の韓国の年号「檀君紀元4288年」(1961年に廃止、以降は西暦を使用)の意味です。ただしこれは国内便ではなく、日本宛ての書留便です。プサン局の消印には西暦のもの⑩があり、こちらの日付表記は⑦や⑧と異なり「1955,2,23」になっています。今までご紹介した国々の実逓FDCには日本宛てのものがありませんでしたが、韓国のFDCには日本宛てのものが目立ちます。日本の郵趣家やその団体が親近感もあって大挙訪韓したのではないかと推察します。