今月のロータリー50周年記念切手は「オーストラリア」です。
オーストラリア最初のロータリークラブ(RC)は1921年創立のメルボルンRCです。ロータリーの活動は盛んで、国際ロータリー(RI)の年次大会も1971年(シドニー)、1993年(メルボルン)、2003年(ブリスベーン)、2014年(シドニー)、2023年(メルボルン)と5回開催されています。
記念切手は1種①がロータリー創立50周年記念日の1955年2月23日に36,358,000枚発行されました。デザインはビクトリア州キュー・ロータリークラブの会員で、メルボルンの連保紙幣印刷支部のデザイナー兼彫刻家であったドナルド・キャメロンによるものです。前年にRIが各国に例示した参考図案を考慮した図案です。タスマニアでは「T」の文字が穿孔された切手が発行されました②(切手裏面を表示、一つの穴の抜けが悪い)。
この切手の田型を張り付けた公式広報用カード③が郵便局の窓口などに掲出され、発行前から宣伝され販売促進に役立ったようです。この広報カードは1971年のメルボルンRC50周年記念切手にも存在します。
赤、黒、緑で印刷されたデラックスシートが存在し、ここには赤と黒を表示します④。
⑤は2005年の「ロータリー100周年」に際して発行された公式のレプリカ・カード(No.34)でこの他に切手と同じ色の赤で刷られたものがあります。切手はデボス加工されたカードの凹んだ部分に印刷されています。このうち黒は100枚未満しか印刷されなかったと言われています。
初日カバー(FDC)は30種以上のカシェが存在しますが、他の国と異なるのは実逓カバーが圧倒的に多いことです。3,600万枚を超える発行数で、かなり多くの切手が実際に使われたものと思います。ここにご紹介するFDCもすべて実逓カバーで、⑥はクイーンズランド州クーバルーあてに送られた書留便です。田型プラス1枚の計5枚が貼られています。⑦も書留便で4枚ストリップが貼られたハンプトン宛です。⑧はブリスベーンの市内便ですが、カシェの文字が「ROTARY MOVEMENT」になっていて新鮮な感じがします。⑨はオーストリアのウイーン宛でこれも書留になっています。裏面にウイーンの到着印があり到着は4月12日になっています。配達まで1か月半以上かかったのは船便ですから当然のことでしょう。⑩はFDCではありません。1959年の6月8日にシドニーのボンディ・ジャンクションRCがヘランダーRCに宛てた封筒に多くの種類の切手が貼られ、そのうちの1枚にロータリー50周年の切手が使われています。RCからRC宛の封筒でもロータリーの切手が使われることは切手発行当初なら別ですが、発行4年後となると滅多にないのでご紹介しておきます。当時のオーストラリアの切手がたくさん貼られた楽しいカバーです。