• MY HOBBIES / Kenichi Hamana

今月のロータリー50周年はエジプトです。
エジプトの最初のロータリークラブ(RC)は1929年にカイロで発足しました。翌1930年にはアレキサンドリアにもRCが誕生して、1955年にはギザ(1953年創立)とヘロポリス(1954年創立)を合わせて4クラブが存在し活動していました。参考までにいうと5番目のRCは50周年から16年後の1971年創立のカイロ南RCになります。

エジプトのロータリー50周年記念切手①(田型)は50周年のその日、つまり1955年2月23日当日に発行されました。10 ミリメス(当時の通貨単位)切手にはポール・ハリスとロータリーの紋章が描かれ、35 ミリメス切手には翼のようなデザインに包まれた地球儀の下にロータリーの紋章が描かれています。初刷りシートは金のエンボス加工を施した革製のフォルダーに収められ、50周年当日シカゴで開催された記念晩餐会の席で、ナセル大統領の代理として出席した駐米エジプト大使のアハメド・フセイン博士から国際ロータリーに贈呈されました。
エジプトではプルーフなどは存在しませんが「無目打ち」②は若干数(1シート?)確認されています。②はフランスの故ルネ・ラガードさんから譲受したもので、この他ペアなど計各3点が手元にあります。しかしこの25年ほどの間に市場で見かけたのは1回だけで、入手困難なアイテムです。見本加刷(SPECIMEN)も確認されていますが、私は未見で、真贋のほどは分かりません。切手は10ミリメスが100万枚、35ミリメスが50万枚発行され、シートは5(タテ)×10(ヨコ)の50面構成でした。

初日カバー(FDC)は各国共通カシェのものを含め20種類ほどのカシェが存在します。③と④はエジプトで印刷されたもので、ともにカイロ郵便局の消印が押されています。エジプトでは図柄入りなどの特別な記念印は使用されませんでしたので、最も多いのがこのカイロ局消印のFDCです。
⑤は周辺国のFDCにも見られるカシェのものですが、アレキサンドリア局の消印(郵趣窓口)です。
⑥はやや横長のFDCでレバノンなどでも使われた封筒です。これは送料の不足分を当時のエジプト切手で加貼した実逓便で、カイロの北、ポートサイドの消印があります。米国ハミルトン(オハイオ州)在住のRI第231地区(当時)のガバナーに宛てたものです。差出人の記載がありません。誰が出したものか、想像するのもこの趣味の楽しみの一つと言えるでしょう。

この切手のデザイナーなどの記録は残されておりません。35ミリメスの最終原画と思われる水彩のスケッチ⑦は185mm×110mmの厚手のボード(白)に描かれています。これはROSの資料に掲載してありますが、10ミリメスの原画は所在不明です。私もあとのことを考えないといけない年齢になりましたが、資料(収集品)を後世に伝える難しさを感じています。


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