• MY HOBBIES / Kenichi Hamana

年も改まり2025年がスタートしました。ロータリー50周年の切手もまだ3分の1をご紹介しただけで、今月はチュニジアです。そろそろスピードアップをしなければこのシリーズが終わりませんが、今月のチュニジアには、ロータリーの切手では唯一の「タブロー・プルーフ」がありますので、詳しくご紹介せねばなりません。

チュニジアのロータリークラブ(RC)は1935年に首都のチュニスに誕生し、1960年に一時国際ロータリー(RI)を離脱、1969年に復帰して現在に至っています。北アフリカに位置し、地中海を挟んでヨーロッパとの交流も深く、RIの地域大会があった時代にはヨーロッパ・北アフリカ地域に属していました。

チュニジアでのロータリー50周年記念切手は、1955年5月14日に、共通図案・色違いの5種(5額面)が、それぞれ5×5の25面シートで発行されました。低額の12f①と15fが各12万枚、その他が各10万枚、ほかに少数の無目打ち②とDXシートが、フランスで印刷されました。
切手のデザインは、ダイ・プルーフ③に署名があるようにフランス郵政デザイナーの一人、デカリス氏によるものです。チュニジアの4つの時代を表現しているそうで、左上はリビコ・ポエニ時代のドゥッガの霊廟。右上にローマ文明時代のドゥッガの町の首都寺院。右下にイスラム教の影響を受けた時代のモナスティールのリベトの塔、ナドール。左下には西洋文明の時代のチュニス港の埠頭。が描かれています。

この切手には先述したように「タブロー(集合)プルーフ」と呼ばれる、数枚の切手を組み合わせた小さな収集用シート④-1~4が20部作成されました。目打ちありと無目打ちがあり、無目打ちの方は厚手の用紙に印刷されています。1種ずつのDXシートも5額面すべてが印刷され(⑤ 5種のうちの1つ)、シートの右下に印刷所名が記されています。
フランス印刷の切手によく見られる「刷色を決定するためのカラートライアル・プルーフ、⑥-1~2」も様々な刷色で残されています。

発行初日恒例のマキシマムカード(MC)や初日カバー(FDC)が、チュニスの特別な記念消印で多種作られました。⑦は一般的なMC、⑧は各国共通のカシェのFDC、⑨と⑩はチュニジア版のFDCです。⑪は当時のチュニスRCの例会場であるマジェスティックホテルの封筒を使用した実逓FDC、⑫はチュニスRCが作成した公式FDCです。他にも多くのカシェを用いたMCやFDCがありますが、今回はこの辺で。


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