• MY HOBBIES / Kenichi Hamana

ロータリーは1905年2月に米国シカゴで最初のロータリークラブ(RC)が産声を上げてから6年、1911年にカナダのウィニペグに米国外初のRCが発足したことで国際組織になったといわれています。現在は「国際ロータリー(ROTARY INTERNATIONAL、略称RI)」と呼びますが最初からそうだったわけではありません。国際組織としての最初のネーミングは、1912年のドゥルース国際大会での決議による「INTERNATIONAL ASSOCIATION of ROTARY CLUBS(IARC、ロータリークラブ国際連合会)」で、1922年のロサンゼルス国際大会で「ROTARY INTERNATIONAL」と改称するまで約10年間そう呼ばれました。

封筒①は1921年、RIへの呼称改称の前年、「IARC」が発信した国内便で、マサチューセッツ州ブロックトンのバーナード・サクストン氏に宛てたもので、氏はロータリアンと思われます。
封筒②の左上に印刷されたエンブレムの中をご覧いただくと、しっかりとINTERNATIONAL ASSOCIATIONの文字が読み取れます。これは南米ウルグアイの首都、モンテビデオRCが1921年5月18日に差し立てた市内宛て郵便です。モンテビデオRCは中南米最初のRCで、1918年8月17日の創立(IARCによる認証は1919年2月1日)です。創立初期に使用された封筒と思われます。エンブレムも誇らし気に見えます。モンテビデオRCの創立にはヘルベルト・P・コーテス氏(英国出身でウルグアイ在住)の尽力が大きく、モンテビデオRC100周年の記念切手③には、氏の肖像がFOUNDER(創始者)として描かれています。建物は例会場になったホテルです。切手をシート右上の田型(4枚ブロック)で示したのは、切手の刷色を示すカラーマークがロータリーのエンブレムで印刷されているからです。④はこの記念切手の発行初日印で、2018年8月17日になっています。なお、コーテス氏は後に、アルゼンチンのブエノスアイレスRCの創立などにも大きく関わった人物で、「南米のロータリーの父」と呼ばれています。⑤は1926年のデンバー国際大会での記念写真(RIのホームページより)で左端がコーテス氏です。

さて国際ロータリーに改称してからの封筒が⑥と⑦です。⑥は1934年の封筒ですが本部が移転しているのがお分かりになると思います。この封筒は本部からアルゼンチンに宛てて発送されたものですが、切手ではなくメータースタンプが押されています。郵便料金は55セントだったことがわかります。21年後の1955年の国際郵便料金が8セントだったことからすると、ずいぶん高額だった気がしますが、1934年といえばまだ航空郵便黎明期ですので、さもありなんと思います。
⑦はスイス・チューリッヒのRIヨーロッパ事務局が1929年5月6日に米国リッチモンドのサザンストーブワークス気付でハリソン氏に送った封筒です。ハリソン氏はロータリアンだったのでしょう。詳細は不明ですが、この会社は1921年にマンチェスターに移転し、工場だった建物はサザンストーブロフトというアパートになったようです。2005年に「現在も使われている歴史的建造物」として登録されています。一例ですが月額1,400USドルで2ベッドルーム++の部屋が借りられるようです。何気ない古封筒からも、いろいろなことがわかるのは面白いものです。


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