• MY HOBBIES / Kenichi Hamana

何年か前のことになりますが、30年近く前からお付き合いしている信頼のおけるある切手商の方から「こんな切手ご存じですか?」と切手のコピーを見せられました。熱心な宇宙関係切手の収集家の方が「探しているが見つからない」とのことで、「ええ、持っていますよ」と即答したのでした。切手には冥王星に向けてケネディ宇宙センターの発射台に立つ宇宙探査ロケットが描かれています。宇宙切手の収集家なら興味ある切手でしょう。

しかしこの切手、あるのは無目打ちの見本①②とプルーフ(作者のサイン入り単色試刷カード)③だけで、実際に発行された形跡がないのです。普通なら①か②のどちらかに目打ちを入れたものが発売されるのですが、存在するのは見本らしき①と②だけで、ROTARY ON STAMPS(ROS)でも一部のメンバーにしか知られていないものでした。
そのシート地を見ると、「国際ロータリー100周年」と「ブルンジのロータリー50周年」の記念文字が読み取れます。ブルンジのブジュンブラ・ロータリークラブ(RC)は1955年の創立ですから記載事項に誤りはありません。

④はその切手が印刷された記念封筒で「ロータリー100周年」と印刷されています。では切手ではなく記念封筒として発行されたのかというと、こちらにも鉛筆書きで「3/25」と書かれています。25部だけ作られたのはこの封筒全体の数なのか、初日印(2006年2月23日、ブジュンブラ郵便局)が押されたのが25部だけなのかは判然としません。初日印は記念はがき⑤にも見られます。封筒とハガキの記念消印は大きさも違います。

ROSの公式見解は「封筒やはがきも含めて見本だけ作られたが発行はされなかった」としています。ブルンジではその後、ロータリーの奉仕活動を紹介する切手が2度にわたって数種類発行されています。


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