今年になって発行されたロータリー関係の新切手は、4月のフランス(Pスタンプ)とオーストラリアのみで、今後もあまり期待できません。そこで、今年になってから入手したロータリー関連の郵趣アイテムからいくつかご紹介したいと思います。
まず、切手ではないのですが「1935年第60区地区大会記念シール」
2019年10月27日のコラム「タンジールのロータリー」に1936年の第60区大会の記念シールについて書きましたが、その前年1935年の第8回同地区大会の記念シールが手に入りました。ROTARY ON STAMPS(ROS)のロータリーラベル&シールカタログに載っていませんので新発見のようです。ROSの百科事典に掲載されることになりました。
1935年の第60区大会はスペインのバレンシアで開催されました。私はバレンシアと聞くと「バレンシア地方」を想像し「バレンシア」が行政区(市)としてスペイン第3の都市であることを、このシールを調べていて初めて認識しました。
札幌からキューバ宛て実逓の初日カバー(FDC)
1961年5月の国際ロータリー(RI)第52回年次大会が東京で開催されたときの記念切手に当時の通常切手(観音10円)2枚を足して、平面路(航空便ではない)国際郵便20gまでの適正料金30円分が貼られた、一見何の変哲もない初日実逓カバーです。しいていえば、記念消印が東京ではなく札幌中央郵便局であることがちょっと珍しいぐらいに思っていました。
しかしあて先をよく見て驚きました。キューバのハバナ宛です。1958年にキューバにカストロ政権が打ち立てられ、徐々に米国との関係が悪化し、1961年1月3日には米国とキューバが断交。5月にキューバは「社会主義宣言」を発出しました。その直後の郵便です。差出人(裏面に記載・日本人で当時札幌市白石区在住)はどのような人物なのか? 受取人のPedro P. Fajardo F.とは誰なのか? はたしてこのFDCは(船便ですので)いつ頃配達されたのか? 興味は尽きません。カストロ首相(当時)の主治医が郵趣家であったということ。キューバは1955年のロータリー50周年や1940年のRIハバナ年次大会で記念切手を発行し郵趣イベントが開催されていることなどから郵趣家やロータリアンも多かった(RCは1916年にハバナで創立、1955年には57クラブ、1959年に解散*)であろうこと。などから、このFDCはPedroさんと親交のあった差出人が記念に送ったものと思います。ちなみにこの封筒は米国の切手商から入手しました。*RI第52回年次大会議事録によれば、キューバからの参加者はないものの、55クラブが存在する旨が記載されています。
クロアチアの記念はがき
クロアチアで記念はがきが5月17日に発行されました。③は未使用のもの。④は発行初日印付きです。
クロアチアは2019年3月17日のコラムに書いたように1929年にロータリーが発足しましたが、国の共産化で1941年に解散。2011年に復活しました。その10周年に当たりRIの第1913地区として、『奨学金プロジェクト』を広報するためにこの記念はがきが作られました。ハガキの料金額面欄はこのプロジェクトのテーマロゴ(ROTARY ZA BUDUCNOST=未来のためのロータリー)がデザインされています。クロアチアの公式はがきですが、いわゆる広告入りはがき、日本の切手で言えばフレーム切手といえるものです。なお、額面欄は金額表示がなく(無額面)、料金値上げ後もこのまま使えるものです。