• MY HOBBIES / Kenichi Hamana

今年の国際ロータリー(RI)年次大会はドイツの「自由ハンザ都市ハンブルク」(以下ハンブルク)で開催されました。ハンブルクは1927年ドイツ最初のロータリークラブ(RC)が誕生した地です。ドイツではこれまでに1987年の年次大会がミュンヘン(当時は西ドイツ)で開催されたことがあります。今年のハンブルク大会は6月1日~5日に開催され、記念切手は発行されませんでした。現在郵趣材料を集約中ですので、次のコラムでお伝えすることにして、今回は1987年のミュンヘン大会を振り返ってみたいと思います。
1989年11月9日にベルリンの壁が崩壊し、1990年10月3日に「再統一ドイツ」が成立しました。そのわずか2~3年前、ミュンヘンは西ドイツ最大の都市でした。ロータリーでは女性の入会を認めるか否かの議論が盛んになり、ついに大会の約1か月前、1987年5月4日に合衆国連邦裁判所が女性の入会を認めないのは違法との判決を下した正にその時です。正式には1989年の規定審議会を待たねばRI定款の変更はできませんでしたが、実態として多くのクラブが女性の入会を認め始めていました。
ミュンヘン大会は1987年6月7日から10日まで26,909人を集めて開催されました。これは欧米での大会では最大の登録者数で、ヨーロッパでの開催ではその後も現在に至るまで、1995年のニース大会(34,007人)に次ぐ記録となっています。
この大会では記念切手①が発行されました。大会の約一か月前の5月5日に発行され、見本②も300枚作られました。ドイツ郵政は発行日にスーベニアカード③を作成しました。
大会開催時に記念のカバー(④⑤⑥はその一例)が多数作られました。④はRIによる公式封筒でそこにあるサインは参加していた女性会員のものだと言われています。⑤のカバーはドイツに近いフランスのモンベリアード東RCがほぼ全員で参加した記念のカバーです。本年4月27日付けのコラムで、同クラブのラガードさんがミュンヘン大会の会場に切手の展示をした旨を書きましたが、その応援もあって大勢が参加されたものと思います。当然このカバーの仕掛人もラガードさん(ご本人に確認済み)です。⑥はROTARY ON STAMPS(ROS)が作成し友愛の家のブースで販売した記念カバーです。
ドイツ郵政は発行された切手以外の8図案(不採用デザイン)を印刷したシート⑦を販売しました。下部中央のサインはこの切手のデザイナーのものです。このカードの元になった資料(あと3図案載っています)に記念切手を貼り記念消印を押したものも作られ私の手元にもあります。
この大会の切手に関して活躍したのはROSのメンバーであったイヴァン・カルドー氏でした。氏は有力なガバナー経験者であり、チェコにロータリーを復活させる際の特別代表を務めるなど、大活躍をしたロータリアンでした。彼は記念切手の発行を郵政に働きかけ、ロータリーでは大会期間中の友愛の家でのロータリー関連切手の展示の実現など、人脈を生かして大きな功績を残しました。ROSは2年前に「Halls of Fame」(栄誉の殿堂)を贈りました。個人的にも親しくしていただいた方です。氏は国家行事やロータリーの大きなイベントなどの際に、ロータリーのエンブレムを入れた特別な消印を郵政に依頼し、多くの記念カードを残しました。その中から一つ、ドイツ再統一20周年記念切手にロータリーの記念印を押したカード⑧を紹介しておきたいと思います。消印は氏の居住地フランクフルトアムマイン(通称フランクフルト)です。


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