• MY HOBBIES / Kenichi Hamana

2006年11月初旬、もう12年近く前の話だ。イタリアのトスカーナ地方を10日間ほど旅したことがある。シエナに8泊したのだが、そのうちの1日、蒸気機関車が牽く列車に乗ってトリュフ祭り(ある村の収穫祭)を楽しむツアーというのに参加した。
シエナから普通列車で約20分。アシャーノ(ASCIANO)に着くと、この日の主役、1908年製の蒸機が客車の先頭で乗客を歓迎していた(①)。日本にはない真っ赤な動輪(②)が「ああ欧州だ」(中国もそうなのだが)と思わせる。客車も1910年代製で、板張りの座席もそのままに懐かしさを皆が楽しんでいた。
この鉄道は1994年に廃線となったものを1996年に観光用として復活させたもので、ボランティアにより運営されている。今年(2018年)は3月25日から12月8日まで計21回の運行が予定され、日本からもホームページ(イタリア語のみ)で予約できる。
列車はこのあと機関車をこの最後部に移動(③)。逆方向に進行し約1時間。かなり長い路線を持っていて、路線の途中駅モンテアンティコ(④)で折り返す。広い構内を何回か前後進させて(⑤)、そこでようやく機関車が前向きで列車を牽く形になった。発車前のひと時、機関士と助士がなにやら話していた(⑥)。往路では気づかなかったのだが、途中踏切があって、自動車で先行したボランティアが踏切番をしていた。折り返して30分。とある駅につくと村祭りの最中で、山上の一角にかなり大きなテントが張られ仮設のレストランになっていた。食後のんびりと散策をして夕方、列車はアッシャーノに戻った。途中、左手の小高い丘の糸杉の並木の向こうに夕日が沈むという時間設定でなかなか良いツアーだった。ホームページのスケジュール表によれば今年も同じようなツアーがあるようだ。

 


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