ロータリー50周年シリーズもあと2か国になりました。今月はレバノンを取り上げます。
レバノンは、かつて古代フェニキア帝国の一部で、地中海の東端に位置し、現在、東と北はシリア、南はイスラエルと接しています。14世紀にはオスマン帝国の一部でした。1860年フランスがこの地域を占領し、第一次世界大戦後の1922年には国際連盟がフランスにレバノンとシリアの委任統治権を与えました。1927年に部分的な独立が認められ、1931年には首都にベイルート・ロータリークラブ(RC)が設立されました。国際ロータリー(RI)の公式名簿では1932年設立とされていますが、現地の確認では1931年に設立総会、1932年にRIが認証したということのようです。
さて、レバノンではロータリー50周年に際し、1955年2月24日に、2種同一図案の航空郵便用記念切手を発行しました(①田型で示します)。デザイナーはP. コロレフ氏で、中央に大きなロータリーのエンブレムが描かれ、左に英文、右側にレバノン語で、国名と航空郵便用切手、それに1905-1955の文字が記されています。
発行枚数は各5万枚で、ベイルートのJ. サイカリ印刷所で印刷されました。両方の切手に見本加刷が存在すると言われていますが、私はまだ現物も写真も見たことがありません。
発行初日にロータリーの特別な記念消印は使用されませんでしたが、5種類の異なる汎用消印が初日カバー(FDC)に押されています。
その5種類の消印が使われたFDCをご紹介しましょう。いずれも首都ベイルート郵便局の消印です。よくご覧いただくとその違いがお分かりになるでしょう。
まずはアラブ諸国共通カシェのFDC②で、一番すっきりした感じを受けます。③は赤色が目立つ2色刷りのFDCですが、②の消印とはBEYROUTHの文字の書体が異なっています。④はカシェのないFDCで、米国テキサス宛ての書留実逓便のカバーです。ベイルートの文字が②③と比べると、英語とレバノン語の位置が上下逆になっています。⑤はRIとそのモットー(標語)が文字で示されたFDCで、消印が六角形なのが変わっているところです。
⑥はFDCではなく5月3日にベイルートから米国ボルチモア宛てに差し出された書留実逓便です。貼られた切手が料金不足だったようでボルチモアで10セントの差額が徴収され、不足税切手が貼られています。このカバーの裏面⑦を見ると、米国ニューヨークに5月6日、ボルチモアには5月9日に着いたものの、料金不足で受取人から10セントを徴収して5月10日に配達されたことがわかります。封筒のウラにも時々面白いことが隠されていて、それを見つけるのも、切手収集が切手だけにとどまらず、郵便趣味という楽しみになっているような気がします。
次回はいよいよロータリー50周年の最終回「リベリア」、問題の国です。