• MY HOBBIES / Kenichi Hamana

地中海北東岸に位置するギリシャは、約3000年の歴史を誇ります。
ギリシャで最初のロータリークラブは、1929年にアテネで設立されました。19世紀初頭にトルコから独立し、1924年に共和制国家となって5年後のことでした。1945年に王政復古しましたので、ロータリー50年の頃は王政でしたが、その後1973年6月には再び共和制を宣言しています。

1955年2月23日のロータリー50周年記念日を挟んで、1954年10月から27か国で記念切手が発行されましたが、ギリシャはその最後、なんと1年以上遅れの1956年5月15日に、ロータリー50周年の記念切手①を発行しました。なぜこの時期になったかは不明ですが、アテネのアスピオティス・エルカ社で1,000万枚の切手が印刷されました。
50周年記念切手の当初のデザイン②は、額面が2.50ドラクマで、右上に「1905-1955」という年号が入る予定でした。最終デザインでは、額面は2ドラクマに引き下げられ、年号は削除されています。発行日の遅れと関係があるのかもしれません。

発行初日のロータリーの特別消印は使用されませんでしたが、少なくとも7種類のアテネの消印が使われたとされています。ROS(ROTARY ON STAMPS)の資料では発行都市はアテネのみとなっていますが、私はテッサロニキなどの大都市でも発行されたと推測します。FDC(初日カバー)は世界共通デザインのもののほか、ギリシャ独自のカシェ③④などがあるようです。③と④にはアテネのもっとも大型の消印が使用されています。⑤は各国でも多いC. G. JuniorのFDCで消印が印刷物用(消印の下部の文字)になっています。⑥は消印下部にKENTPIKON(中央)とあり、アテネ中央郵便局で作成されたことがわかります。

⑦はギリシャ北部の港湾都市テッサロニキで作成されたFDCでTHESSALONIKIの初日印が捺されています。⑧の消印は「アテネ航空郵便」となっていてアメリカ宛ての実逓書留便です。⑨は⑧と同じ差出人による実逓カバーでアメリカ宛て。消印が⑧と違い不鮮明なのですが航空郵便用のもののようです。書留ではありませんが、宛先がATA(American Topical Association)ですので、切手と切手発行の記事を送ったのでしょうか。

⑩は発行初日ではなく1956年7月23日でアテネ局の機械消印で処理されています。機械消印のカバーは珍しいので掲載しておきます。⑪はフランスで作られ世界中で使われたマキシマムカードで、アテネの初日印です。ギリシャ内のフランス人コミュニティが作成したと言われています。

この他にも数多くのカシェによるFDCが存在します。切手は1種類のみの発行でしたが、アテネだけでもさまざまな消印があり、その面で楽しめるのがギリシャのロータリー50周年切手でしょう。ギリシャは1978年にアテネロータリークラブの50周年にも記念切手を発行しています。


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