今回のロータリー50周年はコロンビアとドミニカ共和国を取り上げます。
まず、コロンビアは、南米大陸の北西部に位置し1814年にスペインから独立、ニューグレナダ共和国を経て、1885年にコロンビア共和国になりました。首都のボゴタに1926年に最初のロータリークラブ(RC)ができ、現在では国内に125以上のRCが存在します。
コロンビアでのロータリー50周年記念切手は1955年9月28日に発行されました①。通常郵便用の5Cが青色で600万枚、航空郵便用の15Cが赤色で300万枚、英国ロンドンのトス・デ・ラ・ルー社で印刷されました。デザイナーは世界的に有名だったハンガリーの芸術家、イムレ・フォン・モスドッシ氏(当時コロンビア在住)でした。
見本切手は②の「SPECIMEN」のほかにスペイン語の「MUESTRA」加刷が存在します。
発行初日、ボゴタで特印が使用されましたが、この消印には日付がなく「発行初日」とのみ表示されています。実は9月28日に発売されたのは5Cの通常用のみで、15Cの航空郵便用は10月17日に発売されたとの記録があります。初日カバー(FDC)③には2種とも貼られていますので、「発行初日」の表示になったのではないかと思われます。普通は初日の特印で作られるマキシマムカード(MC)④にはなんと翌年1956年6月の消印があり、郵趣家用に後日販売されたものでしょう。
この切手には原画やエッセイとされるものが存在し、私も所有しています。郵政からの流出品といわれていますが、素性がはっきりしてからご紹介したいと思います。
ドミニカ共和国はキューバとプエルトリコの間に位置するイスパニョーラ島の東部3分の2を国土とし、西はハイチです。1493年11月3日にコロンブスによって発見され、首都サントドミンゴは西半球で最も古いヨーロッパの植民地です。1844年にハイチから独立し、1943年にシウダー・トルヒーリョ(現在のサントドミンゴ)に最初のRCができました。
1955年2月23日、ロータリー50周年のその日に、通常郵便用7Cと航空郵便用11Cの2種の記念切手が発行されました⑤。中央にある「DAR DE ANTES DE PENSAR EN SI」は「分かち合う」の意味です。
見本切手⑥には「MUESTRA」とスペイン語で加刷され、英語の「SPECIMEN」は存在しません。発行数やデザイナーの記録がなく、何か資料がないか調査中です。
この切手には目打ち漏れのエラーが存在します。⑦はシート右端の目打ちが無く7C切手に見られます。11C切手ではシートの上下の目打ち漏れ⑧⑨が確認されています。
FDC⑩にはシウダー・トルヒーリョの特印が捺されていて、円形の日付印と国際ロータリー50周年記念の文字が入ったキラーバーで構成されています。⑪は発行翌日の消印でキラーバーもありませんが、2種各2枚貼りの書留実逓便で、裏面には米国の到着印も捺されています。